事故ってないのに自動車保険の保険料が上がる理由

原ちゃんです!

前に自動車保険の話で、事故っても保険料が上がらない「ノーカウント事故」の記事を書きました。

前の記事:
自動車事故を起こしても、翌年の保険料が上がらないケース

で今回は、保険を使ってないのになぜ更新の時に保険料が上がるのか?という問題について、10年以上保険営業をやってきたわたくし原ちゃんがご説明したいと思います。

一口に保険料が上がるといっても、理由は様々です。
なお、今回説明する中に、若い人に運転させるようになった(年齢条件を若く変更した)とか、家族限定を解除したとか、車を買い換えた(車両入替をした)とか、そういう「そりゃ上がるわ」というのは除きます。
あくまで、「補償内容は何もいじってないのに」更新の時に保険料が上がった場合のことについて説明します。

さて、保険料が上がる理由で代表的なものは3つ。

それぞれ順番に説明します。

全体的な保険料率の見直し

はい、全体的な見直し(主に値上げ)です。
のっけからミもフタもありませんね。

何年かに一度、各保険会社が別々に発表します。別々なので中身は様々です。
ちなみに部分的な見直しは、ほぼ毎年やってます。
私が覚えてる範囲で、細かくいうと、

  • ゴールド免許割引を拡大、ブルー免許は値上げ(全体的には値上げ)
  • 新車割引の割引率を改定(値上げ)
  • 軽自動車の車両保険、人身傷害などの傷害補償を値上げ

などなど「自動車保険 改定のご案内」とかの中身を見ればかなり細かく、アレは値上げだ、コレは値下げだと書いてありますが、ここ何年かは「全体的に値下げ」の改定は、どの保険会社も一度もないはずです。

ではなぜこのような全体的な保険料率の改定が何年かに一度必ず行われるのか。
そりゃあ保険会社が予想した収益率や損害率と、現実とが乖離(かいり)してくるからです。

次の項で書きますが、2011年~2013年頃までに大手損害保険会社が導入した「記名被保険者年齢別料率(年代別料率)」が良い例です。

コレが導入される前までは、自動車保険で年齢に関するものといえば年齢条件だけでした。
30歳か35歳以上限定が最高で、40歳も70歳も同じ保険料率でした。

これは「若い人は無謀な運転などで事故を起こしやすい」「熟練ドライバーは事故を起こしにくい」と考えられていて、そのように保険料率も定めていたのに、年代別(30代、40代、50代、60代、70代以上)の事故率を調べてみたらビックリ!
30代40代は確かに事故率は低かったが、そのあとは年代が上がるごとに事故率も上がっているではありませんか!

という確かな統計データを「損害保険料率算出機構」が出して、保険会社がそれに乗っかった形です。
実際この頃、高齢ドライバーによる事故が多発!などと各方面で報じられていたので、保険会社は予想と乖離した現実に少しでも近づける絶好のチャンス!とばかりに「保険料率の見直し」という名の大改革(値上げ)に踏み切ったのです。

年代別料率が上がった

既に上でも触れました「年代別料率」です。
今は記名被保険者(主に運転する人)の年代により、保険料が変わります。
(30代40代が一番保険料が安く、その後50代60代70代以上とどんどん保険料が上がります)

2011年~2013年の導入時は大改革でしたが、一度導入してしまえばこっちのもの。
大々的な見直しでなくとも、「70代の事故率がまた上がったな、保険料上げたろ」「40代もなにげに事故しとるな!上げたろ」と導入時よりはお気軽(?)に保険料率を変えることができるようになってしまいました。

年代別料率って、確かに理にかなった納得できる料率体系なんですけど、うまいこと値上げの理由にされているような気もしないでもないです。
実際更新の時に保険料が上がった理由を聞いたら「40代の事故率が上がったみたいですぅ~」と適当なこといわれた人いませんか!?いそうですけどね。
いやまあ適当なことではないんでしょうけど、それで納得できるかっていうと話は別です。

料率クラスが上がった

「料率クラス」って知ってますか?

普通乗用車と小型乗用車(白ナンバーの乗用車)はその車の型式ごとに料率クラスというものが定められています。
料率クラスは、

  • 車両
  • 対人
  • 対物
  • 傷害

と4つの区分に分けられていて、それぞれ1~9までのクラスがあります。
保険料は、1が一番安く、9が一番高いことになります。
料率クラス
損害保険料率算出機構「自動車保険 型式別料率クラスの仕組み(pdfファイル)」より抜粋

保険証券を見ると料率クラスも載っていると思います。
ちなみに軽乗用車は料率クラスはありません。基本的に一律の保険料率です。

さらにちなみに!
料率算出機構のサイトにも載っていましたが、2020年1月1日迄に軽乗用車でも型式別料率が導入されるようです。
まあ確かに、タントとS660が同じ保険料っておかしいですもんね。

例を出しますと、2016年の料率クラスですが、ホンダフィット(型式GP6)の料率クラスは
フィット
車両:4 対人:4 対物:4 傷害:4

となっています。
これは…、特別低いわけでもないけど、高くはないってところでしょうか。
では高そうなの行きましょう。
トヨタランドクルーザー(型式URJ202W)の料率クラスは
ランドクルーザー
車両:9 対人:4 対物:5 傷害:4

と出ました。
車両高いですね!あと気になったのは、傷害が意外と低くないですね。
ランクルでぶつかっても乗員は無傷っぽいイメージありますが。

さてこの料率クラス。
何度か出てきている損害保険料率算出機構が出しているものなんですが、毎年1月1日に改訂されます。

過去一年で、全国にあるあなたが乗っている車と同じ型式の車の事故率により、クラスが上がったり下がったりします。
コレは本当に純粋な統計ですので、下がることももちろんあります。

ちなみに裏話ですが、料率クラスが上がったとき、当然その年に更新するときに保険料は上がりますが、最近は料率クラス以外のところでの保険料率の見直し(値上げ)も毎年のように行われているため、実は保険料が上がった理由は料率クラスだけではないことが多いです。
が!保険営業としては保険料が上がった理由を全て料率クラスのせいにして説明したりします。

なぜならば説明しやすいからです。
「全体的に事故率が上がってまして…」なんてボヤけた説明してもお客さんは納得しません。(実際は渋々納得してくれますが)
しかし料率クラスという、目に見える数字があると、納得も得られやすいというわけです。


そもそもの保険の仕組みとして「相互扶助」という原則があります。
これは「みんなでお金を出し合ってプールして、困った人がいたらそこからお金を出してあげよう」という仕組みです。
ですのでその「困った人」が増えれば、みんなが出すお金も増えてしまうわけです。

コレを理解せずに「オレは使ってないのになんで上がるんだ!」とか「保険使わなかったんだから保険料返せ!」っていうのは完全に横暴です。
ですが、最近は自動車保険に限らず、保険の値上がりが著しいのも事実で、ちょっとどうにかならんのかとも思います。

私がなんとなくずっと考えてることなんですが、手始めに自動車保険を「車ごと」ではなく「人間ごと」に付けるようにできないものでしょうか。
今の保険制度では、本当に安全運転で事故率が低い「人」でも、事故率の高い「車」に乗ってしまえば、他の人と一緒にされて高い保険料を取られます。
また、車が趣味で複数台所有している人は、その台数分だけ保険料がかかります。でも一人が一度に運転できるのは、一台だけです。

なんとかコレが実現してくれたら、もっと納得のいく自動車保険になると思うんですけどね。




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