妻が次女を妊娠してるとき、クアトロ検査(母体血清マーカー検査)を受けました

2017年2月11日

クアトロ検査
今、ミイ(次女)は生後2ヶ月です。
1ヶ月検診でも異常がなかったし、スクスクと育っています。(もうすぐ首が据わりそう)

昨日ふと思い出したんですが、デメ子ちゃん(妻)がミイを妊娠しているとき、クアトロ検査を受けたんですよね。
今回はそのときのことを書こうと思います。

クアトロ検査って何?

「知ってます!説明いらないです!」という人は次の項へジャンプ!

クアトロ検査、クアトロテスト、母体血清マーカー検査などと呼ばれるこの検査。
簡単にいうと、胎児に障害があるかないかの“確率”を調べるための検査です。
とはいえ全ての障害について調べられるわけではなく、調べられるのは

  • ダウン症候群(21トリソミー)
  • 18トリソミー
  • 開放性神経管奇形

の3つについてです。

ダウン症候群(21トリソミー)とは

通常23組46本ある染色体のうち、21番染色体が1本余分に存在し、3本あることにより生じるものです。
ちなみにこの「染色体が3本ある」状態を「トリソミー」というらしい。
さらにちなみに「染色体が1本」の場合は「モノソミー」というんだそうな。
新生児に最も多い遺伝子疾患で、知的発達や運動能力の発達に遅れが見られ、病気にかかりやすく、また心臓や内臓の病気を合併する可能性が高くなるそうです。
近年は早期からの療育、適切な教育などにより、大人になってからの社会生活(就労など)を営むことも可能になりつつあるとか。

18トリソミーとは

エドワーズ症候群ともいい、18番染色体が3本(トリソミー)あることにより生じるものです。
50%~90%は胎児の時に亡くなり、また生まれたとしてもほとんどが1年以内に亡くなるという、とても重い先天性疾患です。
何年か前にも、お笑い芸人のレイザーラモンRGの奥さんが18トリソミーの娘を妊娠し、出産間際で亡くしています。
まだ娘さんがお腹の中で生きていたときに製作し、その後発売したあるあるネタのDVD「Live in Japan」のエンドロールには「あの日あの場所にいた証」として娘の名前が入っているとか。

開放性神経管奇形とは

妊娠初期に形成される胎児の神経管は、正常であれば管状に形成され上下は閉鎖されますが、正常に形成されない場合、開放性神経管奇形となります。
この「神経管奇形」のほとんどが開放性で、閉鎖型または非常に軽症な開放性神経管奇形は、クアトロ検査では検出されないことがあります。
開放性神経管奇形には、二分脊椎(脊椎が正常に形成されない場合)や無脳症(頭蓋骨が正常に形成されないために、脳が発達しない場合)が挙げられます。


しつこいようですが、この検査はこれら障害の有無の“確率”を出す検査です。
やり方は採血のみでノーリスク。費用は15,000円~30,000円くらいが相場です。

検査を受ける時期として、推奨されているのは妊娠15週~17週頃までです。
妊婦の年齢によって、例えば36歳の場合は「295分の1(1/295)」と基準があり、これはつまり36歳で出産する人を295人集めたら1人はダウン症の子を産むよ、ということを表しています。
で、それぞれの年齢での基準確率より高い確率が出れば陽性。低ければ陰性となります。

まず、検査を受ける決断

妊娠数週頃、デメ子ちゃんが私にいいました。
「クアトロ検査受ける?どうする?」
私は根が真面目でして、こういうときに「んー、一応受けとけばぁ?」とか軽~く答えられず、真面目に考え込んでしまいました。

でも当たり前ですけど誰でも「もし陽性が出たらどうしよう」って考えますよね?
私もすごく考えました、そしてデメ子ちゃんと話し合いました。

話し合いの方向としては「障害を持った子は育てられない」というものでした。
例えば私たち両親は覚悟をして生み育てることができたとしても、普通は親が先に死にます。
ここが本当に本当に悩んだ点だったんですが、もし私たち夫婦が亡くなったあと、生まれてくる子の障害の程度にもよりますが、そのとき上の姉弟達はどうするんだろう?って。

私たち夫婦と、チリ(長女、一番目の子供)の年齢差は約30歳です。
仮に障害が重ければ、親が亡くなったあと30年近くも障害を持った子(そのときはもう大人だけど)の世話を姉弟がしなきゃいけなくなるかも知れない。

話し合いの結果は「子ども達にそれを押しつけられない」ということになりました。

では次に、段階を踏んで考えて、結果ごとに今からその後どうするかを決めておこう、と話し合いました。

つまり、クアトロ検査で何らかの障害についての結果が陽性でも陰性でも、

  1. そのまま産む
  2. 次の段階、羊水検査をする
  3. 堕ろす

という選択肢があります。

陽性だったら羊水検査に進もう。
確率が高めの陰性だったら、そのまま産むか羊水検査か。(ここは結局検査結果が出るまで決められませんでした)
確率が低い陰性だったら、そのまま産もう、と決めました。

そして検査をして約2週間後、デメ子ちゃんが結果を聞きに行ってきました。
渡された紙がこちらです。(クリックで拡大 実物スキャンです)
クアトロ検査の結果
開放性二分脊椎は1/12,000、これに無脳症などの開放性神経管奇形を含めた全体の確率は約1/6,000。
18トリソミーである確率は、この妊娠においては高くありません。

何かそれぞれの表記方法が違うのが気になるけど、ここまではオッケーそう。
そしてダウン症、基準1/295に対し、「1/450」と出ました。

これを見たデメ子ちゃんの感想は「思ったより基準に近い…」でした。
デメ子ちゃんもやはり、この検査結果を見て安心したい想いがあったんでしょう。

下のもっこりした形のグラフを見ると、左がダウン症で、右が開放性二分脊椎です。
開放性二分脊椎の結果は1/12,000でしたが、基準は1/290です。

ここまで開きがあるのを期待していたわけではないですが、数千分の1くらいは期待していたようです。

しかし結果は、上に書いた「確率が高めの陰性」にバッチリ当てはまってます。
とても悩みました。

というのも、これを読んでいる人は知っているかも知れませんが、羊水検査を受けた場合、1/400の確率で流産をするそうなんです。
(聞くところによると費用も20万円とかするらしいですが、この時は費用のことは考えてませんでした)

ダウン症について出た結果が1/450ですので、ほぼ変わらない確率に見えます。
ここで想定される中で、一番最悪のシナリオは
「羊水検査をして流産した。で結果は陰性だった。」
というものです。

とはいえやはり、羊水検査をして陰性の結果をもらい安心したいという気持ちも当然ありました。
そしてもし陽性だった場合、堕ろすという決断をするのに時間はあまりありません。

確率が高めの陰性という結果で、下した決断は

そのまま産む、でした。

結果的には障害がなく生まれてきてくれたので良かったんですが、生まれてくる直前までは安心できませんでした。

出産したあとのデメ子ちゃんと話したんですが、分娩台に乗ったあとも何度か「赤ちゃんが障害を持ってたらどうしよう」と頭をよぎったそうです。
私も同じでした。
立ち会い出産をしましたが、デメ子ちゃんが分娩台に乗って、手を握ったり声を掛けているときも、何度か頭をよぎりました。

デメ子ちゃんの妊娠中にこんなことばかり考えていたので、今ミイが健康で育ってくれていることに、「ありがたいことだなぁ」としょっちゅう思ってしまいます。
ちなみに最後にさらりと書きますが、チリは心臓がちょっと悪く、「肺動脈弁狭窄症」と診断され、年に一度検査にいっています。日常生活に支障はありません。
そしてボウ(長男)は喘息で、一度入院したこともあります。
私も喘息なんですが(発作は何年も出てない)、かかりつけのお医者さんにボウのことを話した際に「5歳までの幼児が喘息で亡くなることって本当に多いですから、気を付けてください。」といわれました。
はい、気を付けてます。
前の記事でもチラッと書きましたが、やたら高いネブライザー(吸入器)を買って、毎日吸入させてます。

関連リンク:
子供の長く続く咳。それは慢性副鼻腔炎かも!?

健康って本当にありがたいことなんですよねぇ…。(お年寄り風味)


おもしろかったよ!と思っていただけたらクリックしてみてください。
私が喜びます。↓